北海道市民活動促進条例
 
前  文 第10条  人材の育成
第1条  目的 第11条  交流及び連携の促進
第2条  定義 第12条  調査研究の推進
第3条  基本理念 第13条  拠点としての機能の整備
第4条  道の責務 第14条  財政上の措置
第5条  事業者の役割 第15条  設置
第6条  市民活動団体の役割 第16条  名称及び位置
第7条  道民理解の促進 第17条  事業
第8条  情報の提供 第18条  管理の委託
第9条  学習機会の確保 第19条  規則への委任
 
(前文) ▲TOP
 私たちが暮らす広大な北海道においては、都市化の進展と農山漁村の過疎化とともに多様なライフスタイルの定着により、生活環境の変化が見られ、高齢者や障害者の社会参加と自立、文化やスポーツ活動の広がり、青少年が健やかに育つことのできる環境づくり、さらには自然との触れ合いなど、地域社会のニーズも多様化し、活力ある地域社会をつくりあげていくためには、これまでの行政の取組に加え、地域の実情に即したきめ細かな対応が求められてきている。
 これらの地域社会のニーズに的確に応えようとする市民活動については、特定非営利活動促進法の整備を契機に、その活動への関心が高まり、活動領域も広がりを見せ、地域の様々な課題を自ら解決しようとする取組が活発に行われるようになってきた。こうした市民活動の取組は、地域の活性化に大きな役割を果たすことが期待されている。
 このような考え方に立って、市民活動の一層の促進を図り、地域に暮らす一人一人の取組によって支えられる多様で豊かな地域社会からなる自律した北海道を目指すため、この条例を制定する。
 
第1章 総 則
(目的) ▲TOP
第1条この条例は、市民活動の促進に関し、基本理念を定め、並びに道の責務並びに事業者及び市民活動
 団体の役割を明らかにするとともに、道の施策の基本となる事項を定めることにより、市民活動の促進に
 関する施策を総合的に推進し、もって道民生活の向上及び豊かに暮らせる活力のある地域社会の実現に寄
 与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、「市民活動」とは、営利を目的とせず、不特定かつ多数のものの利益の増進に
 寄与することを目的とし、継続的かつ自発的に行われる活動であって、その活動が次の各号のいずれにも
 該当しないものをいう。
 (1) 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするもの
 (2) 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするもの
 (3) 特定の公職(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第三条に規定する公職をいう。)の候補者(当
  該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに
  反対することを目的とするもの
 
(基本理念)
第3条 市民活動は、道、事業者及び道民の理解の下に、社会全体で促進されなければならない。
2 市民活動は、道民の自発的な意思と自己責任の下で行われなければならない。
3 市民活動は、その自主性及び自律性が尊重されなければならない。
 
(道の責務)
第4条 道は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、道民の意見を踏まえ、市
 民活動の促進に関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 道は、広域的な見地から市民活動の促進のための総合調整を行う責務を有する。
3 道は、市民活動の促進に関する施策を推進するに当たっては、国、都府県及び市町村との緊密な連携を
 図らなければならない。
 
(事業者の役割)
第5条 事業者は、基本理念にのっとり、市民活動に関する理解を深め、その活動の促進に努めるものとする。
 
(市民活動団体の役割)
第6条 市民活動団体(市民活動を行う法人その他の団体をいう。以下同じ。)は、基本理念にのっとった
 市民活動を行うとともに、その活動及び運営の状況を道民に周知することにより、市民活動への理解の形
 成に努めるものとする。
 
第2章 基本的施策
(道民理解の促進) ▲TOP
第7条 道は、道民が市民活動に関する理解を深め、その活動が促進されるよう普及啓発に努めるものとする。
 
(情報の提供)
第8条 道は、道民の市民活動への参加及び市民活動の円滑な実施を促進するため、市民活動に関する情報
 を提供するよう必要な措置を講ずるものとする。
 
(学習機会の確保)
第9条 道は、道民が市民活動を円滑に行うため、市民活動に関する学習の機会を確保するよう必要な措置
 を講ずるものとする。
 
(人材の育成)
第10条 道は、市民活動の円滑な実施を促進するため、市民活動を支える人材の育成等が図られるよう必要
 な措置を講ずるものとする。
 
(交流及び連携の促進)
第11条 道は、市民活動の円滑な実施を促進するため、市民活動を行うものの相互の交流及び連携が図られ
 るよう必要な措置を講ずるものとする。
 
(調査研究の推進)
第12条 道は、市民活動の円滑な実施を促進するため、市民活動の実態等についての調査研究を行い、その
 成果の普及等が図られるよう必要な措置を講ずるものとする。
 
(拠点としての機能の整備)
第13条 道は、市民活動の促進に関する施策を効果的に実施するため、市民活動を総合的に推進するための
 拠点としての機能の整備を推進するよう必要な措置を講ずるものとする。
 
(財政上の措置)
第14条 道は、市民活動の促進に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるもの
 とする。
 
第3章 北海道市民活動促進センター
(設置) ▲TOP
第15条 道民による市民活動を総合的に推進するため、北海道立市民活動促進センター(以下「市民活動促
 進センター」という。)を設置する。
 
(名称及び位置)
第16条 市民活動促進センターの名称及び位置は、次のとおりとする。
 名          称 位  置
北海道立市民活動促進センター 札幌市
(事業)
第17条 市民活動促進センターは、次の事業を行う。
 (1) 市民活動団体等の交流及び連携の促進のために施設及び設備を提供すること。
 (2) 市民活動に関する情報を収集し、及び提供すること。
 (3) 市民活動に関する学習機会を提供すること。
 (4) 市民活動に関する人材を育成すること。
 (5) 市民活動に関する調査研究及びその成果の普及を行うこと。
 (6) その他設置の目的を達成するため必要な事業
 
(管理の委託)
第18条 知事は、公共的団体に対し、市民活動促進センターの管理を委託することができる。
第4章 雑則
(規則への委任) ▲TOP
第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
 
附 則 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第3章の規定は、平成13年6月1日から施行する。